肩の痛みに対してストレッチを行うことは大切です。
日本整形外科学会の肩関節周囲炎ガイドラインによると、痛みを感じるストレッチを行うよりも、痛みの無い範囲でストレッチを行う方が良いとストレッチを行うことは推奨されています2)。※日本理学療法士協会.肩関節周囲炎の診療ガイドラインを参考
しかし、肩の痛みのある方がご自身でストレッチを行うと痛めてしまう方が多いです。肩は痛む箇所や痛みが出現する動作も違いが多いため、誤ったストレッチ方法を行やすいです。結果、痛みを伴うストレッチを行うことで症状が悪化する可能性が高いです。
国家資格保有者が行うストレッチは、肩の状態をしっかりと把握してストレッチを行うので、痛みをなるべく伴わずに効果的なストレッチを提供することができます。
また、肩の筋肉は浅い層と深い層に存在する筋肉の2つが硬くなりやすく、ストレッチはこの2層の筋肉に対して柔軟性を得ることができます。ですが、セルフストレッチではこの2つの筋肉に対してしっかりと伸ばしきれないため、肩の痛みは慢性化しやすいです。
また、自分で行うストレッチは数少ない筋肉しか伸ばすことはできませんが、他者に行ってもらうストレッチは多くの筋肉を伸ばす事が可能です。
今回は、4つ肩の痛みが生じる箇所に合わせて、各ストレッチを紹介します。
【肩の痛みにおすすめなストレッチ】
◆大胸筋ストレッチ
◆胸張りストレッチ
◆スティック+プルオーバー
◆上半身回旋
◆骨盤運動
【①:肩を動かすと肩の前が痛い】
大胸筋 小胸筋 肩甲骨
大胸筋 小胸筋 ➔大胸筋ストレッチ
大胸筋 小胸筋 肩甲骨➔胸張り運動
【②:肩を動かすと肩の後ろが痛い】
肩甲骨 大胸筋 小胸筋 広背筋 三角筋後部繊維
肩甲骨 大胸筋 小胸筋➔胸張り運動
広背筋 三角筋後部繊維➔スティック+プルオーバー
【③:肩を動かすと肩の横が痛い】
肩甲骨 大胸筋 小胸筋 広背筋 肩甲骨周囲の筋肉
肩甲骨 胸筋群 小胸筋 ➔胸張り運動
広背筋 肩甲骨周囲の筋肉➔上半身回旋
【④:肩を動かすと2か所以上が痛い】
肩甲骨 大胸筋 小胸筋 広背筋 肩甲骨周囲の筋肉 背中の筋肉
肩甲骨 胸筋群 小胸筋➔胸張り運動
広背筋 三角筋後部繊維➔スティック+プルオーバー
背中の筋肉 ➔骨盤運動
【運動の注意点】
※肩は無理にストレッチを行うと他の部位よりも痛めやすいです。また、動きが制限されやすいのでストレッチを行う際は、必ず肩の関節・腕・指にまで痛みの生じない範囲で行うことをおすすめ致します。
※ご高齢の方や体力に不安のある方、首から指にかけての関節に痛みがある方は痛み・違和感のない範囲での実施をおすすめします。
※ストレッチ実施時に、痛みが出た場合は、速やかに中止して下さい。
※ストレッチ実施時に、首周りや上半身に痺れ・脱力感などの症状が強く出る場合は専門医への受診をおすすめ致します。